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[ 単行本 ]
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岡本彰祐アンソロジー
・岡本 彰祐
【築地書館】
発売日: 2008-02
参考価格: 2,100 円(税込)
販売価格: 2,100 円(税込)
Amazonポイント: 21 pt
( 通常6〜9日以内に発送 )
中古価格: 1,239円〜
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・岡本 彰祐
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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解読! アルキメデス写本
・ウィリアム・ノエル ・リヴィエル・ネッツ
【光文社】
発売日: 2008-05-23
参考価格: 2,205 円(税込)
販売価格: 2,205 円(税込)
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中古価格: 1,215円〜
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・ウィリアム・ノエル ・リヴィエル・ネッツ
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カスタマー平均評価: 4.5
息のあったダブルス パリンプセスト
palin(再) psan(こする)
というギリシア語から派生したこの言葉は、まさに文字通り「リサイクル」本であった。
かつてはアルキメデスの理論を解説してあった本の羊皮紙から記してあったものを削り取り、そこにキリスト教の祈祷文が書かれ、「再利用本」として保管してあったのである。
しかしそれを21世紀の英知が見逃す筈もなく、あらゆるハイテクが用いられ、アルキメデスの思考が改めて読み解かれていく。まさにスリルとサスペンス、飽きさせない記述が凄い。
特に素晴らしいと思われるのが、共著者のコンビネーションである。ウィリアム・ノエルは古文書を専門に扱う学芸員、彼は当初「アルキメデスとピタゴラスの区別もつかない」(ネッツの記述による)人物だったが、古文書修復のために各地を飛び歩いて最新の技術を求め、それをいかにも学芸員らしい好奇心に溢れた、しかも客観的なタッチで描写していく。
対するリヴィエル・ネッツは数学史とギリシア語を専門としており、彼にとってアルキメデスはまさに全能のヒーローだ。少年のような憧れと純粋な情熱と驚きをもって、少しずつ稀代の天才の業績に迫っていく様は、思わず顔がほころんでしまうほどに純粋で美しい。
この二人によって、アルキメデスという人物が、20世紀までに考えられていたよりも遥かに奥深い理論を極めていたことが(しかもそれをゲームのように遊び心で探求していたことが)証明されたのだった。
また巻末にはこのプロジェクトに関わった斉藤憲氏のあとがきが掲載されている。
とてもわかりやすい筆致で概略をしめしてあり、改めてこのホンの凄さを認識できた。
たまにはこういう本もいいものです。
ドラマチックな本 アルキメデスは、「歴史上<<最も偉大な>>数学者3人だけをあげよ」と質問されたら、その答えのリストに必ず含められる数学者だと言われる。(E・Tベル著 「数学をつくった人びと」)
微積分学、幾何学、組み合わせ論の分野におけるアルキメデスの貢献について知ることができる。
他のレビューで書かれているように、興味深い点がいろいろ盛り沢山の本だ。
それらに加えて、ギリシャ数学における独特の図の使い方が書かれていたことが興味深かった。
ギリシャ数学では、具体的な図形ではなく、むしろ概念図を用いることによって精密な推論を行った。
たとえば、多角形の辺を直線ではなく曲線で描く幾何学など、これまで一度も教えられたことがなく、考えついたこともない。
“斬新な”幾何学に出会ってドキドキした。
もう一つは、ストマキオンについて。
ストマキオンとは、14片のピースを正方形に並べるゲームで1万7152通りの正解がある。
アルキメデスが取り組んだストマキオンは、最近のパズルゲームより高度で、自力で一つでも発見するのはひどく大変そうだ。
(p359にビル・カトラーのプログラムによる、ストマキオンの72例の正解が9行8列の表に並べて印刷されています。
上から3行目、左から2列目に置かれた“正解”には15片のピースがあることを発見しました。ミスプリントでしょうね。^^ )
ためらっているひまなんかありません くそボロッちくて(たぶん)臭い、小さなしわしわの「もうどうしようもない」カビまみれの本をめぐるいくつもの物語。莫大な金をポンと出して本を買い取る人の話、本を書いた本人の話、それを解読する人たちの話、この本をここまで無茶苦茶にしてしまった人たちの話、本が発見されるまでの話、幸運に恵まれずに失われてしまった無数の本の話
目の前に幸運がころころ転がってきて、そのまま通り過ぎようとしているとき、人間にはためらっているひまなどないのです。
人の考えが伝わる不思議さ、書物の運命の不思議さに思いを馳せる 700年以上前に作られた「アルキメデスC写本」の解読を託された学芸員と、古代数学史家が解読の過程を明かしたドキュメンタリーです。
アルキメデスが原本を書いたのは紀元前3世紀。大切に書写され後世に伝えられましたが、1204年の十字軍によるコンスタンティノープルの破壊により、多くの古典とともにアルキメデス写本も散逸してしまいました。
AとBの写本はイタリアに流れ着いてギリシャ語からラテン語に翻訳されましたが、一部内容の異なるC写本はルネッサンス期にも読まれた形跡がありません。
というのも、C写本はバラバラに解体され、再利用されてしまったからです。羊皮紙の表面を再加工したあと半分に切断し、キリスト教の祈祷文が上書きされていきます。
祈祷書となった写本は、エルサレム近くの修道院で19世紀まで使われ、20世紀のはじめにコンスタンチノープルで“発見”されます。
文献学者が薄くなった文字を解読して学術誌で発表したあと、第一次世界大戦の混乱のさなかにC写本は再び姿を消しました。
ニューヨークのオークションで再び世の中に姿を現わすまでの写本の流離譚は、破壊の魔の手から逃れるサスペンスドラマのようにスリルに満ちています。
古代数学史家が明かしてくれる解読の過程や、アルキメデスについての新たな発見の意味も、興味深いものでした。
久しぶりに「この先、どうなるんだろう」とドキドキしながら本を読みました。
ページをめくるのがもどかしく感じられる、という点では歴史ミステリー『ダ・ヴィンチ・コード』にも負けていません。
これほどワクワクさせてくれるのは、やはり歴史上の人物が書いたという事実の重みのおかげでしょう。
古代史や数学に関心のない人でも、人の考えが伝わる不思議さ、書物の運命の不思議さに思いを馳せるに違いありません。
本好きにはたまらない一冊です。
人の営みすべてに向けて感動中 勉強の大事さや面白さを知るという意味でも、人間の営為の連続への畏怖に打たれるって意味でも、
何年かぶりの大感動でございます。
オークションで落札された羊皮紙の祈祷書。それはアルキメデスの写本を再生利用したもので、祈祷文
の下には、現存する唯一のアルキメデスの論文が眠っていた。って、再現されたアルキメデスの記述も、
紀元前3世紀のシラクサでご当人が書いたものでは当然なく、中世までに延々写筆されたものが、羊皮
紙を再利用した結果、たまたま現存したもの。
復元・解読・保存プロジェクトの指揮をとった学芸員氏(ウィリアム・ノエル)のノンフィクション的記述と、
数学史研究者氏(リヴィエル・ネッツ)の文献学的事情や解読された数学的内容の解説。これが交互
に配される構成。
このアルキメデスC写本の解読による発見の内容や、それが数学史にもたらすインパクトについては、おそ
らく私は、5%も理解してはいないだろうということに自信あり。
しかしながら、平行線をズラしていって線分の比率を“釣り合わせる”ことから、放物線の切片の面積を
求めていく件りには読んでいて声を出してしまいましたよ。「おおおおお!!!」とかって。
いろんな専門家が知恵を出し合って、ひとつのプロジェクトを進めていく様は圧巻。
学校の科目でいえば、数学とか語学とか理科(文献保存・再現の手法あれこれ/画像解析技術あれ
これ)とか社会(歴史的経緯の追跡過程もろもろ)とかに別けられる内容が、密接に関係し合っている
様は、ちょっと感動的。大人になってみて、学校で勉強したことがこんな“おもしろい”ことだったって知って
「なぜ教えてくれなかったかね?」とか恨んでみたり。
また、目的と手段が相互に互換的に支援しあっている様も印象深い。内容を解読することによって得ら
れた知見から“文献史学”に貢献するための手段(解読)に“数学”が利用され、同時に“数学”に貢献
するための手段として“文献史学”的な方法が利用される。
考えてみれば、こうしたいろんな方法と学術がコラボレートして結果を出すのは、多くの分野に当てはまる
ことだし、それ以上に、現在の私たちにとって、いろんな方法や学術が利用可能であるということは、アル
キメデスだけでなく、いろんな人々の営為が、学術・技術・方法として無記名のまま、破壊から逃れて現
在に伝わっているからであり、そこには知りようもない多くの人の何千年にも及ぶ、当人の意図を超えた
連続があるからであったりも。
そう思えば、もう、何というのか、人間の営みすべてに惜しみない賛辞を、っとか思って感動は醒めませぬ。
本書を読んだり、アルキメデスの証明の末端をわずかに理解したりして、自分もその営みの末席の末席
に少し参加できた気分。
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[ 単行本 ]
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理科を歩む―歴史に学ぶ
・江沢 洋
【新曜社】
発売日: 2001-06
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
Amazonポイント: 18 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,205円〜
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・江沢 洋
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)
・オーウェン・ギンガリッチ
【早川書房】
発売日: 2005-09-22
参考価格: 2,415 円(税込)
販売価格: 2,415 円(税込)
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( 在庫あり。 )
中古価格: 1,207円〜
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・オーウェン・ギンガリッチ
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カスタマー平均評価: 4.5
情熱と探究心(&お金と暇) いわゆる「コペルニクス的転回」をもたらした、コペルニクス著『天球の回転について』の初版本(1543年)、2版本(1566年)に関して、所在が明らかな約600冊の調査(中心は、余白の書き込みの調査)の概要と調査や本についてのエピソードを記した本です。
書誌学とは、具体的な、1冊1冊の書物から情報を引き出す学問です。ですから、自ら手に取り、触り、そして、何が、どこに、どのように、いつ、誰によって書かれたか、ということを調べることが基本です。
ゆえに、著者はギンガリッチさんは、『天球の回転について』の初版本、2版本のすべてを、自ら調査すべく、世界中を30年かけて飛び回りました。時間とお金がある、研究者の中でも特に恵まれた人でなければできない仕事ですが、とにかく、著者の情熱と探究心には圧倒されます。西洋書誌学に関心のある方、古書好きな方にすすめます。
ちなみに、巻末の『天球の回転について』所在地一覧を見ると、日本にも、いわき明星大学、広島経済大学、金沢工業大学、京都産業大学、近畿大学、明星大学に初版本があります。
科学史を期待してしまっていた タイトルから天動説が受け入れられる過程についての本かと思った。しかし、コペルニクスの『天球の回転について』の初版本と第二版の、現在残っている500冊あまりの網羅的な調査研究(著者のライフワーク)の回顧録であった。
個々の本の来歴やら、書き込みやら、それから分かる科学者の交流などそれなりに興味深いこともあるが、あまりにマニアックでついて行けなかった。こうなると骨董マニアですなあ。実際、収蔵している図書館の警備の甘さをついた盗難事件や、サザビーズのオークションが出てくる等、まさしく骨董の世界。科学史としての記述は少なく、かなり拍子抜け。
それでも、
・『回転について』があまり読まれたなかったと西洋で言われていた。
・著者の研究でそれは事実でないことがわかった。
・コペルニクスは太陽を地球の軌道の中心においていなかった。
・コペルニクスは宇宙の中心を太陽でなく地球軌道の中心に置いていた。
など、興味深い知識も得られた。特に最後の事実は、太陽系のなかで地球の特別な地位を認めていたと言う点で「コペルニクスは完全にコペルニクス的ではなかった」と表現しているのは面白かった。
タイトルに書誌学と書いてあるのに勝手に期待した方が間違っているのではあるが、科学の発展という意味での科学史への興味で読むにはいささか退屈な本ではありました。
科学史研究を基礎付けた書誌学的研究 推理小説を読むようにスリリングな科学史研究。命題はアーサー・ケストラーが誰も読まなかったと断じたコペルニクスの『回転について』が後世の天文学者、数学者や物理学者にどのように受容されたかを世界に残された初版と二版の数々を分析することで、ケストラーの誤った見解を反証した労作である。コペルニクスの地動説は近代の認識論の代表でもあるカントの純理でコペルニクス的転回というメタファーにもなったくらいに近代科学と科学革命の原点でもある。その実際を証拠として諸版に残された書き込みと古文書学で分析してゆく。歴史的名著は稀覯本であり、盗難とその密売が絶えない。その現場にも専門家として立ち会いながら、鑑定士としても一役買いながら、科学革命の見えざる大学としての知的ネットワークを描き出す。知の伝播を考える上でも重要な一冊である。
馬鹿馬鹿しい試みに拍手 これが書誌学です!
誰も読まなかったと云われるコペルニクスの「回転について」。
本当にそうだったのか?
著者が偶然にも手にした「回転について」には丹念な書き込みが
あったそうなのです。
偶然手に入れた本がこうならば、誰も読まなかったはずが無い!
ここから著者の、世界中に散らばった600冊の「回転について」を
確かめると云う書誌学的な試みが始まりました。
いいなぁ、林望先生みたいで、こういうの大好き!
回転についてにまつわるストーリー コペルニクスが書いた回転についてという本は果たして全く売れなかった本なのか??
本の空欄に書かれたそれぞれの読者の書き込みからいろいろな推理がなされる。そしてでた結論とは??
内容はなかなか難しいけれど、各地の図書館を周ってその本がいつ誰によって読まれていたのかを検証していくのは500年近い歴史を超えて一つの本が語り継がれる様を描いていてなかなか。
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[ 単行本 ]
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南方熊楠の生涯
・仁科 悟朗
【新人物往来社】
発売日: 1994-05
参考価格: 3,873 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,200円〜
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・仁科 悟朗
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カスタマー平均評価: 0
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[ 大型本 ]
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医療ミスで失われた半生記―注射一本が人生を狂わせた
・多賀 里美
【草輝出版】
発売日: 1996-09
参考価格: 1,325 円(税込)
販売価格: 1,325 円(税込)
Amazonポイント: 13 pt
( 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。 )
中古価格: 1,200円〜
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・多賀 里美
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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アインシュタイン・ショック〈1〉大正日本を揺がせた四十三日間 (岩波現代文庫)
・金子 務
【岩波書店】
発売日: 2005-02
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,200円〜
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・金子 務
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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科学はこうして発展した―科学革命の論理
・菅野 礼司
【せせらぎ出版】
発売日: 2002-08
参考価格: 2,000 円(税込)
販売価格: 2,000 円(税込)
Amazonポイント: 20 pt
( 通常6〜9日以内に発送 )
中古価格: 1,200円〜
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・菅野 礼司
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カスタマー平均評価: 5
科学の進歩につれて「科学観」も変化することを教える本 理工系の学問をしていながら科学史や科学哲学に関心を持たない人が大勢居ます.その人たちがしていることは、みんなが軍国主義だから俺も軍国主義だとか、みんなが民主主義だからわたしも民主主義にするという生き方と少しも違わず、科学技術で飯が食えるからその仕事をしているだけのことでしょう.そういう人々は、状況によっては能率的に人を殺す材料の開発と生産に精を出すかもしれません. そんな間違いを避けるために科学史や科学哲学を勉強しようとするときに、分厚い専門書をたくさん読むのは難しいことです.まずこの本から取りかかるのが手ごろだと思います.この本は、現代の物理学を熟知し、科学論の先端を切り開く業績を挙げている著者が初学者向きに書いた本です.科学史の通史を掲げるものではありませんが、人間とは何かという問題を絶えず視野に置いており、最新の視点に立って「科学とは何か」を問う上で不足はありません.
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[ 単行本 ]
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バイオロジー事始―異文化と出会った明治人たち (歴史文化ライブラリー)
・鈴木 善次
【吉川弘文館】
発売日: 2005-03
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,200円〜
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・鈴木 善次
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カスタマー平均評価: 3.5
明治期の生物学・医学・食農学 著者は日本近代の優生学や生物学の歴史についての研究者。
本書は明治期のバイオロジー(生物学)について書かれた入門書。概説、生命、医、食農に分け、だいたいの流れ、主要な人物・著作、参考文献を示してくれる。初学者、またこういう話をざっと知りたい人には重宝されるだろう。
しかし、私にはかなり物足りなかった。聞いたことのある話ばかりで、分析やまとめ方にも目新しいものはない。既にこういう世界に馴染んでいる読者は、購入する必要がないと思う。
日本の誇るべき生物学者たち 外山亀太郎という明治時代の遺伝学者がいた。一九〇〇年代は、メンデルの再発見が次々となされた時代であったが、世界ではじめて、昆虫においてメンデリズムの再発見を行なったのが外山亀太郎だった。
本書からは、遺伝学の黎明期に世界的な業績を挙げながら、バイオロジーといえば欧米の歴史しか眼中にない現代人にすっかり忘れ去られてしまった明治期の学者たちの生き生きとした姿が伝わってくる。
事実を淡々と述べるだけの筆致には不満な部分もあるが、それでも「異文化と出会った明治人たち」の思いは十分感じることができる。若い生物学者にはぜひ読んでもらいたい。
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[ 単行本 ]
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ニカラグアの博物学者
・トマス ベルト
【平凡社】
発売日: 1993-10
参考価格: 4,282 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,200円〜
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・トマス ベルト ・Thomas Belt
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カスタマー平均評価: 5
ニカラグアの博物学者 副題は「チョンタレス金鉱山滞在の記録とサバンナと森の旅、あわせて生物進化学説に関連する動物と植物の観察」 英国出身の鉱山技師で博物学者トマス・ベルトが、1868年2月から1872年9月まで、ニカラグアの金鉱山で採掘事業にたずさわるかたわら、この地で遂行した博物学探検観察の記録。 ニカラグアの自然と人を、あますところなく描き、インディオの失われた文明にも、想いを馳せた素晴らしい記録。 アステカ王家の鳥「ケツアール」とよばれるカザリキヌバネドリ、ジャガー、葉切蟻、軍隊蟻、イグアナ、無毛の犬など興味深い生き物たちが、描かれている。 当時のニカラグアの豊かな自然と、スペインの侵略がもたらした災害が、よく理解できる。 トマス・ベルトという偉大な人間を知ることができ、深く感激した。この本の翻訳者にも感謝したい。
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