カスタマー平均評価: 3.5
難しい統計についてS‐PLUSで解説した本 S言語の入門書としては簡潔すぎるので、入門は他の本でやってください。 統計学としても、入門レベルよりは、はるかに上を行っています。たとえば3章「線形モデル」では、共分散分析、回帰診断、非つり合い型4元配置、多重比較と、 とても入門レベルとは言えないような統計について取り扱っています。 あとの章では「平滑化回帰」だの「ニューラル・ネットワーク」だの「生存時間分析」だの「空間統計学」だの、 もうお腹いっぱい! ってくらい高度な統計の解説があり、すみません全然わかりませんでした。 この本に対する僕の評価は星は3つですが、そんな自分に星1つ。 要するに僕にはまだ早かったのです。「ぐりとぐら」でも読んで出直します。
S 言語を使う実証研究者にとって有益な一冊 S言語(S-PLUS またはR)を用いて,実証研究をしようとしている応用分野の研究者,大学院生にとって,大変価値ある一冊だと思います。Sは,やや敷居が高い統計パッケージですが,できあいのソフトにまだ実装されていない手法を使う際のプラットフォームとして最適です。 なお,本書は,S言語の入門書としては,十分に親切ではないので,ほかに入門書を求めた方がいいでしょう。しかし,本書でも,別段,S言語の予備知識を仮定しているわけではありません。Sの初心者でも十分に使えると思います。 しかし,統計の初心者向けの本ではありません。大学院レベルの統計コースをいくつか取ったという程度の知識は必要でしょう。もっとも,S言語を研究に使おうというレベルの人であれば,まったく問題ないと思います。 扱われているトピックは,かなり実践的で,応用上有益なヒントがあちこちに散りばめられています。もちろん,統計の専門家以外,細部にいたるまで理解できるわけではありませんが,こういう場合にはこういう手法があるというガイドと考えればいいでしょう。参考文献をたどれば,必要に応じて十分に詳細な情報が入手できます。筆者の場合,頑健回帰・抵抗回帰と非線形モデルに関する情報が大変有益でした。他方,時系列分析や生存時間分析はやや手薄なように思います。 この本の全体の雰囲気・レベルは,(分野はまったく異なるものの)数値計算の"Numerical Recipe"に似ています。応用分野の人間にとっては,優れた統計学者によって書かれたこのレベルの本がもっともっと増えるとありがたいところです。ただ,本書の場合,カバーする範囲が案外狭いのが惜しまれます。邦訳のない,ほかの本を併用するほかありません。(なお,本書の原著はさらに新しい版が出ているようです。) 筆者は,R(GNU S)を使って,この本のいくつかの章をフォローしてみました。グラフィックなど,一部,S-PLUS特有の記述がありますが,本質的な部分は,Rで行けます。
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