科学・テクノロジー書籍店

風景写真には見えない
書店で見かけ、どうしても我慢できずに購入してしまった。
値は張るがそれ以上に価値のある写真集。
店頭に並ぶ分は表紙が５種類あるようだ。

収録されている地球の光景は、私の想像を軽々と超え、
時として風景写真であることを忘れさせ抽象画を見ているような錯覚に陥ってしまうことさえある。
どの写真もが美しいのと同時にグロテスクかつシュールで力に満ち溢れている。

昨今「地球や自然にやさしく」などというセンスのないコピーが軽々しく使われているが、
こういった地球の姿を見なければ、われわれが普段目にする「自然」とはいかに限られたものであるか実感できないし、
その言葉がどれだけ重いことを表しているのかを理解することはできないだろう。

知らないことがたくさんある、と謙虚な気持ちにさせられた。
せっかく地球に住んでるんだから、地球の色々な姿を見ておきたい。
地球はやっぱりでかい！
　地表の様々な表情、それはどんなに同じ条件が揃おうとも同じものはない。１秒たりとも同じものは２度と現れない。その人類の歴史とは比べものにならないほどの長さ繰り返されてきた地球の営み、そのほんの一部をかいま見れる１冊。
　人間が生む事ができないのではないかと思わせるような鮮やかな海面や森林、河川の数々。その全てが何十億年に渡る地球の営みの産物であり、これからも、私たちが今、こうしている間にも目に見えないような速度で積み重ねられていく地球の呼吸なのであろう。この本を見終わった後、今まで読んだどんな環境問題や自然について扱った本やテレビ番組よりも自分がこの地球の上の生を受け、日々を送っていることを感じた。私たち人間も、動物も植物も、生きとし生けるものは全て地球というマザーシップの上で生かされている、そして私たちはこのマザーシップをできるだけありのままの形で後世に伝えていく義務があるように思う。環境面でもそうだがわたしはいつか自分に子供が生まれたら教えたい。私たちが今立っている地球の表面をたどっていけばこんなにもきれいな景色があることを。